アクアスフィア水教育研究所 カバー写真
  • 団体名称
    アクアスフィア水教育研究所
  • 代表者氏名
    橋本 淳司
    橋本 淳司 代表者写真
    水教育を通して持続可能な流域づくりに貢献します。水を保全し大切につかう地域・流域づくりをサポートします。共感を大切にし、「伝える」×「つなげる」×「育む」活動を通じて、課題の解決を行っていきます。 活動流域は「全国の流域」を考えていますが、Water Literacy Open Forumの開催地である国際基督教大学(東京都三鷹市)のある多摩川流域を指定しております。
  • 活動流域
    多摩川流域

団体支援

この団体のサポーターになって活動を支援しよう!

支援する
 

ごあいさつ

こんにちは。アクアスフィア水教育研究所の所長をつとめている橋本淳司です。

まずはちょっと長めになりますが、ぼくの自己紹介をさせてください。

いまから20年くらいまえ、1990年代半ばのことです。

かけだしのジャーナリストだったぼくは、取材でバングラデシュに行きました。ある町で井戸を見ると、真っ赤に塗られていました。大きくバツ印が書かれたものもありました。

見た瞬間、井戸水に何か危険があるのだと思いました。

「何ですか、この印は?」

案内してくれた現地の人に聞くと、

「この井戸から出る水は、ヒ素に汚染されているのです」

といいました。ヒ素と聞いて驚きました。ヒ素は猛毒です。

それなのに子どもたちは井戸のまわりに集まり、手押しポンプで水をくみあげてゴクゴクと飲んでいます。女性たちは家庭で使うために、その水をかめにくんでいきます。

危険な水を平然とつかっている様子を見て、「いったいどうなっているんだ」と驚きました。

ぼくはその水をひしゃくでくみました。見た目はふつうと変わりません。無色透明です。変なにおいもしませんでした。だからといって安全な水とは言えません。

「健康被害が出るんじゃないですか」

そう聞くと現地の案内人はおしだまってしまいました。現地で全身に黒い斑点のできた人に会いました。ホクロのような斑点が無数にできた子どもにも会いました。

ヒ素の影響でした。ヒ素は粘膜や皮膚に悪影響をあたえます。中毒の症状が出るまでに何年もかかることもありますが、それでも着実に人体をむしばみ、皮膚ガン、肝臓ガン、肺ガンの原因になることもあります。そして最悪の場合、死にいたるのです。

「どうして有害な水だとわかりながら飲むのですか」

ぼくは水をくんでいた女性に思わず聞いてしまいました。

彼女はかなしそうな顔をしていいました。

「この村には水がないのです。川や池の水は病原菌におかされています。この井戸が掘られるまえ、私たちは、毎日3時間以上もかけて水をくみに行っていました。それは肉体的にも精神的にもきついことでした。水くみに時間をとられて働くことができないので、経済的にも苦しい。この水が安全でないことは知っています。それでも毎日苦しい思いをするよりはましなのです」

ぼくは女性の言葉を理解することができませんでした。

「今日という日を生きるために、有害な物質の入った水を飲んで、大切な命をちぢめてしまうなんて、そんなことがあるんでしょうか。この村の人は、この水がヒ素におかされていると全員が知っているのですか」

「知っている人もいますし、知らない人もいます。知っていてあきらめている人もいます」

バングラデシュでは、もともと川や池の水を飲んでいました。しかし、ウイルスや病原菌で汚染されていることが問題になり、井戸が掘られるようになりました。人々は安全な水が手に入るようになったことをとても喜んだそうです。ところが、今度はその水がヒ素におかされていたのです。

ぼくのなかで、いままでの常識がひっくり返るのを感じました。

 
 

それまでの常識がひっくり返った

実は、ぼくはそれまで水のおいしさに興味がありました。日本各地の浄水場や湧き水、カナダやヨーロッパのミネラルウォーターなどを取材しては、「この水はおいしい」「この水は体にいい」などと記事にしてしまいました。

しかし、まったくちがう世界があることを知り、大きな衝撃を受けました。

それまでの自分は「井のなかの蛙」でした。安全な水を豊富にたたえた場所しか知らないのに「水のことを知っている気取り」でした。

同時に罪の意識も感じました。世界中に安全な水を飲めずに困っている人がいることを知らずに、安全な水の飲める人に「よりおいしい水」「より健康によい水」をすすめていたのです。それまでに書いた原稿を破り捨てたいような衝動にかられました。


ヒ素におかされたと知りながら、周囲に安全な水がないために、それを飲まなくてはならない人びと。ヒ素のことを知って飲んでいる人もいれば、文字が読めないために知らずに飲んでいる人もいました。

汚れた川や池の水を飲んで死んでしまった子どもたち。その水源は、隣の集落から出る屎尿で汚染されていました。屎尿が有害であることはわかっていたので、丘を越えたところに穴をほって屎尿をうめていたのですが、それが隣の集落の水をよごしていました。

彼らに対して自分は何ができるのかと、しばらく悩みました。

 

水について考えることの大切さ

ヒ素におかされた水を飲んでいる人を目の前にしても、ぼくは何もできませんでした。

安全な水を確保する方法も、水質を改善する方法もわかりませんでした。

そのとき出した小さな結論は、水と人間との関係はいかにあるべきかを考えようということでした。まずは水に不自由している人たちの話を聞こう。水に不自由している人たちの状況を世の中に広めれば、解決方法をもった人があらわれるのではないかと考えました。

それから20年が経ちました。今、ぼくは水不足に悩む集落、汚染された水を飲む人たち、地下水をめぐるもめごとの起きた町、気候変動による洪水で流された集落、そうしたところで話を聞き、話しあい、一方、解決方法をもつ人に知恵を借り、現場に紹介するという「橋渡し」のようなことをやっています。

自分たちのつかっている水がどこから流れてきて、どこへ流れていくのか、この水を大切につかっていくにはどうしたらいいのかを地元の人といっしょに考えています。

ジャーナリストという仕事が客観性をもたねばならないとすれば、ぼくは現場に入りこみすぎているので、ジャーナリストではないかもしれません。特定の野球チームを担当しているスポーツジャーナリストが、チームに肩入れして、ボール拾いの手伝いをしているようなものだからです。

でも、水をめぐるさまざまな問題を知り、それを解決するためにきちんとした話しあいをしたりするには、ぼくのような変わりものも必要なのではないかと思っています。

ぼくはいま「水ジャーナリスト」と「アクアコミュニケーター」という2つの肩書きで仕事をしています。


 
 

水問題を自分ごととして考えるために

先日、高校生主催のフォーラムにゲストで呼ばれ、水問題について対話をしました。高校生の何人かから「日本は水が豊富な国なのだから海外の水問題は関係ない。むしろ水を売って儲けるべきだ」という声が出ました。

でも豊かな国が自己利益だけに走ると、世界で取り組まねばならない問題に誰も取り組まなくなります。世界は不安定になり衝突するリスクも高まるでしょう。やはり少しずつ対話をしなければならないと思いました。水問題=他国の知らない人の問題ではなく、自分の問題として興味関心をもつことがすべてのはじまりです。

アクアスフィア水教育研究所では、水についての教育活動を通して持続可能な流域づくりに貢献したいと考えています。

水を保全し大切につかう地域・流域づくりをサポートします。

さまざまなステークホルダーの共感を大切にし、「伝える」×「つなげる」×「育む」活動を通じて、課題の解決を行っていきます。

水循環の理解を深めるイベント・勉強会の実施、アクアコミュニケータ(水教育者=流域ごとの水循環、水保全など水問題解決の知恵をもち、コミュニケーションスキル、学びの場をつくるスキルをもつ)育成等を行います。

イベントの1つとして、Water Literacy Open Forumがあります。世界的に水不足への懸念が広がるなか、水を持続的に活用しながら生活していくための知識「ウォーター・リテラシー」が必要ではないかと言われるようになりました。

ですが、「ウォーター・リテラシー」ってなんだと思いますか?

あなたにとって「次の世代に伝える水のこと」ってなんですか?
 
2012年10月、国際基督教大学で「国際ウォーター・リテラシーシンポジウム」が開催され、世界各国の科学者、教育者などにより「次世代に伝える水リテラシーとは何か」「その具体的な方法とは何か」が話し合われました。米国での地域の密着した水教育の事例、ヨルダン川周辺の水を子どもたちがモバイル端末で調査することにより周辺諸国の水の平和的利用をねらった事例などが発表され、たいへん有意義でした。
 
でも大切なのは、私たち自身の「ウォーター・リテラシー」です。アクティビティや参加者が対話を通じて、「次の世代に伝える水のこと」を考える。その場こそがWater Literacy Open Forumです。

このイベントの開催を通じて、「ウォーター・リテラシー」を浸透させ、「ウォーター・リテラシー」を浸透せる担い手となる若い世代の育成を図りたいです。

どうぞよろしくお願いします。

 

団体支援

この団体のサポーターになって活動を支援しよう!

支援する

!! 注意 !!

こちらの団体支援はプロジェクト支援とは違い、毎月支払いの継続支援となりますのでご注意下さい。
詳しくはコチラを参照ください。

団体を支援してくれた人たち

Tanaka Misaki さん 2017/03/06

ワークショップやイベント、子どもと出来る多摩川保全のお手伝い活動等ありましたらお知らせ下さい。

応援しております。

団体支援

この団体のサポーターになって活動を支援しよう!

支援する

この団体について

  • 団体名称
    アクアスフィア水教育研究所
  • 代表者氏名
    橋本 淳司
    橋本 淳司 代表者写真
    水教育を通して持続可能な流域づくりに貢献します。水を保全し大切につかう地域・流域づくりをサポートします。共感を大切にし、「伝える」×「つなげる」×「育む」活動を通じて、課題の解決を行っていきます。 活動流域は「全国の流域」を考えていますが、Water Literacy Open Forumの開催地である国際基督教大学(東京都三鷹市)のある多摩川流域を指定しております。
  • 活動流域
    多摩川流域

最近の支援者

Tanaka Misaki さん 2017/03/06

ワークショップやイベント、子どもと出来る多摩川保全のお手伝い活動等ありましたらお知らせ下さい。

応援しております。

カワサポ団体募集!
カワサポ地域ーパートナー募集!